本センターについて
代表理事挨拶
一般財団法人大学教育質保証・評価センターは、2020年度より機関別認証評価業務をスタートし、今年度(2025年度)で6年目を迎えます。
過去5年間の評価業務で、公立大学63大学の機関別認証評価を実施しました。会員大学も81大学となっています。本センターが掲げた「大学が行う教育研究の質を保証するための評価を行い,またその評価を通じて大学の教育研究の質の向上に資すること」を目標に業務を行っています。
本センターが行う認証評価の特色は3つあります。①大学評価基準として3つの基準(基準1:法令適合性の保証、基準2:教育研究の水準の向上、基準3:特色ある教育研究の進展)を設定していること、②受審大学に対して、大学が行う自己点検・評価をまとめて記載する独自の記載方式(フォーマット)である「点検・評価ポートフォリオ」を採用していること、そして③基準3に関して、実地調査において多面的なステークホルダーが参加する「評価審査会」を導入していることです。
認証評価業務開始の2020年度はコロナパンデミックの時と重なり、緊急事態下での実地調査では新たなツール(オンライン)を導入して行われました。パンデミック収束後は、丁寧な評価を継続実施するためにこの経験を活かし新たな取組みとして実地調査を2回導入しています。1回目の実地調査はオンラインで、書面調査で確認できなかった項目について評価実施チーム全員が参加し確認調査を行い、併せてオンライン調査での利点を生かした評価審査会を実施しています。2回目は、1回目から時間を空けて受審大学を実際に訪問して対面での調査を実施しています。受審大学、評価委員及び関係者からのアンケートに基づく本センター独自のフィードバック・ノートからその有効性が評価されています。
本センターは2027年度に第2期を迎えます。2025年2月の中教審「知の総和」答申を踏まえ、その中でまず新たな取組みとして内部質保証の実質化を大学に促すための伴走型支援の在り方を検討しています。法令では7年以内に1度の受審が義務付けられていますが、内部質保証の実質化には継続性が課題です。この課題を大学と一緒に取組む支援の在り方を第2期では導入したいと考えています。また2019年に制度化された専門職大学の機関別認証評価にも対応のための整備を行いました。
本センターは、日本の認証評価機関が設立した「高等教育質保証学会」の事務局を今年度から2年間引き受けます。この様な取組みを通して他機関と連携し、情報を共有し多くの大学に選ばれ、信頼して受審いただけるよう認証評価機関としての質保証と持続的成長を進めたいと思っています。
関係の皆様のご指導、ご協力を今後ともよろしくお願いいたします。
一般財団法人大学教育質保証・評価センター代表理事 近藤倫明
(2025年6月)